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医療機器のクラス分類とは?中古機器の購入・売却に役立つ基礎知識
更新日:2025年11月27日
病院やクリニックの開業・閉院にあたり、中古医療機器の購入・売却を検討する際には「医療機器のクラス分類」の理解が重要です。薬機法(正式名称:医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律)に基づく分類は、機器のリスクや管理方法に直結し、流通の可否にも影響します。
本記事では、分類の基本から中古機器の扱い方まで、実務に役立つ知識をわかりやすく解説します。
この記事でわかること:
- 医療機器のクラス分類と法的な位置づけ
└薬機法に基づく4つの分類と、それぞれのリスク・規制内容が理解できます。 - 中古医療機器の流通可否と注意点
└クラス別に中古機器の売買が可能かどうか、必要な確認事項が整理できます。 - 買取・販売業者が守るべき法令と対応ポイント
└業者が留意すべき管理義務や説明責任について、実務的な視点で把握できます。 - 開業・閉院時に役立つ機器選定の判断軸
└クラス分類を踏まえた機器の選定・処分のポイントが明確になります。
医療機器のクラス分類とは?
医療機器は、その使用目的や人体への影響度に応じて「クラス分類」されており、薬機法に基づく規制や手続きが異なります。分類は、機器の安全性確保や適切な管理のために重要な指標となっており、中古機器の購入・売却時にも確認すべき基本情報です。
ここでは、分類の目的や制度の背景、4つのクラスの特徴についてわかりやすく解説します。
なぜ分類が必要なのか?(リスク管理と法規制の観点)
医療機器は、人体に直接使用されるものが多く、万が一の不具合が重大な健康被害につながる可能性があります。こうしたリスクを適切に管理するため、薬機法では医療機器をリスクの程度に応じて4つのクラスに分類しています。
薬機法第2条第4項では、医療機器を「人または動物の疾病の診断・治療・予防、または身体の構造・機能に影響を及ぼすことを目的とした機械器具」と定義し、以下のように分類しています。
- クラスⅠ(一般医療機器):リスクが極めて低く、届出のみで販売可能
- クラスⅡ(管理医療機器):比較的低リスク、第三者認証が必要
- クラスⅢ・Ⅳ(高度管理医療機器):高リスク、PMDAの審査と厚生労働大臣の承認が必要
このような分類制度により、機器のリスクに応じた規制が段階的に設けられ、使用者と患者の安全が制度的に担保されています。中古機器の売買においても、この分類を理解することが、適正な取引と法令遵守の第一歩となります。
参考:PMDA『医療機器』
一般医療機器と高度管理医療機器について詳しくは以下のコラムもご覧ください。
「一般医療機器とは?分類の定義と製造・販売に必要な許可を解説」
「高度管理医療機器とは?法律的な分類や販売に必要な審査・許可・資格を解説」
PMDAと厚生労働省の役割と連携体制
医療機器の承認制度では、PMDA(独立行政法人医薬品医療機器総合機構)が新規機器の技術的審査を行い、その結果をもとに厚生労働省が承認を判断します。これは主にクラスⅢ・Ⅳなどの高度管理医療機器に適用される仕組みです。
中古医療機器の売買では再審査は不要ですが、既存の承認情報や分類を正しく把握し、法令に沿った管理・流通を行うために、このような制度があることを理解しておくことも重要です。
薬機法に基づく4つのクラスと特徴
医療機器は薬機法に基づき、人体への影響度や不具合時のリスクに応じて4つのクラスに分類され、クラスが上がるほど製造・販売・使用に関する規制や管理義務が厳しくなります。中古医療機器の売買においても、クラス分類を理解することで、流通の可否や必要な手続きが明確になります。
また、クラスに関係なく「特定保守管理医療機器」に該当する場合は、販売業者や使用者に保守点検などの義務が課されるため、注意が必要です。
| クラス分類 | 医療機器の分類 | リスクの度合い | 医療機器の具体例 |
|---|---|---|---|
| クラスⅠ | 一般医療機器 | 不具合が生じた場合でも、人体へのリスクが極めて低いと考えられるもの | 体外診断用機器、鋼製小物(メスやピンセットなど)、歯科技工用用品、X線フィルム、聴診器、水銀柱式血圧計、手術用照明器など |
| クラスⅡ | 管理医療機器 | 不具合が生じた場合でも、人体へのリスクが比較的低いと考えられるもの | MRI装置、消化器用カテーテル、造影剤注入装置、電子体温計、超音波診断装置、電子式血圧計、電子内視鏡、歯科用合金、家庭用電気治療器(マッサージ器)、補聴器、手術用手袋など |
| クラスⅢ | 高度管理医療機器 | 不具合が生じた場合、人体へのリスクが比較的高いと考えられるもの | 透析機器、人工骨頭、人工呼吸器、放射線治療機器、血管用ステント、胆管用ステント、体外式結石破砕装置、汎用輸液ポンプ、コンタクトレンズ、人工角膜、バルーンカテーテルなど |
| クラスⅣ | 患者への侵襲度が高く、不具合が生じた場合、生命の危険に直結するおそれがあるもの | ペースメーカー、冠動脈ステント、吸収性縫合糸、人工乳房、ビデオ軟性血管鏡、中心静脈用カテーテル、人工心肺用システム、人工呼吸器など | |
| クラス分類に関わらず許可が必要 | 特定保守管理医療機器 | 一般医療機器…手術用照明器など 管理医療機器…MRI装置など 高度管理医療機器…人工心肺用システムなど |
さらに詳しくは「一般医療機器とは?分類の定義と製造・販売に必要な許可を解説」「高度管理医療機器とは?法律的な分類や販売に必要な審査・許可・資格を解説」のコラムもお読みください。
中古医療機器の購入・売却における分類の活用法
中古医療機器を安全かつ適正に取り扱うには、機器の「クラス分類」と「管理区分」の理解が欠かせません。これらは流通の可否や必要な手続き、保守管理の有無に直結するため、購入者・売却者の双方にとって重要な判断材料となります。
ここでは、取引時に確認すべきポイントや、クラスごとの注意点、業者が留意すべき実務上の対応について解説します。
購入時に確認すべき「クラス」と「管理区分」
中古医療機器を購入する際は、機器の「クラス分類」と「管理区分」を必ず確認しましょう。これらは薬機法に基づき、機器のリスクや流通の可否、保守管理の義務に関わる重要な情報です。
特に「特定保守管理医療機器」に該当する場合、購入後の点検記録や管理体制が求められるため、事前の確認が不可欠です。
これらを踏まえ、信頼できる業者から購入することで安心につながります。
クラス別に見る中古機器の流通可否と注意点
中古医療機器の流通可否は、クラス分類によって大きく異なります。クラスⅠ・Ⅱは比較的リスクが低く、適切な管理がされていれば中古市場での流通が可能です。
一方、クラスⅢ・Ⅳは高度管理医療機器に該当し、再使用に厳しい制限があるほか、保守点検記録や使用履歴の確認が求められます。特定保守管理医療機器に該当する場合は、販売業者・使用者ともに保守管理体制の整備が必要です。
| クラス | 流通可否 | 主な注意点 |
|---|---|---|
| クラスⅠ | 〇 | 基本的に自由に売買可能 |
| クラスⅡ | 〇 | 管理区分の確認、動作確認が必要 |
| クラスⅢ | △ | 保守記録・使用履歴の確認が必要 |
| クラスⅣ | ✕または厳格な条件下でのみ | 原則再使用不可、法令遵守が必須 |
購入・売却時には、機器の状態と法的要件を必ず確認しましょう。
中古医療機器の買取・販売業者が留意すべき点
中古医療機器を取り扱う業者は、機器のクラス分類や管理区分に応じた適切な対応が求められます。特にクラスⅢ・Ⅳや特定保守管理医療機器に該当する場合、販売前に保守点検記録や使用履歴の確認が必要です。
また、販売先が医療機関であることを前提に、法令に基づいた説明責任も重要です。中古機器の買取・販売業者が留意すべき主なポイントを、以下にピックアップしました。
- クラス分類・管理区分の正確な把握
- 特定保守管理医療機器の有無と管理義務の確認
- 保守点検記録・添付文書の整備
- 法令に基づく販売・譲渡の可否判断
- 使用者への適切な情報提供と説明
業者がこれらを徹底することで、安全かつ信頼性の高い取引が実現します。
中古医療機器の売買は豊富な知識と実績のあるグリーンメディカルへ
中古医療機器の売買を安心して任せられるパートナーとして、グリーンメディカルは2001年の創業以来、全国対応・無料査定・高価買取を実現してきました。
医療機器メーカー出身のスタッフが多数在籍し、専門知識に基づいた査定と丁寧な対応が強みです。販売面では、国内外への流通ネットワークを持ち、保守・保証付きの機器を多数取り扱っています。
クラス分類や管理区分に応じた法令遵守も徹底しており、開業・閉院時の機器選定や処分においても、医療機関のニーズに寄り添った提案が可能です。
株式会社グリーンメディカル 許認可一覧:
- 古物商認可番号 東京都公安委員会 第301060407418号
- 高度管理医療機器等販売業・貸与業許可(東京本社) 第6308242086号
- 高度管理医療機器等販売業・貸与業許可(大阪支店) 第17N02676号
- 高度管理医療機器等販売業・貸与業許可(九州支店) 第7R022039号
- 医療機器修理業許可番号(東京本社) 13BS201806
- 医療機器修理業許可番号(大阪支店) 27BS006167
- 大阪府動物用管理医療機器販売・貸与業届出
- 東京都動物用管理医療機器販売・貸与業届出
まとめ:クラス分類を理解して、開業・閉院時の医療機器選定に役立てよう
医療機器のクラス分類は、薬機法に基づくリスク管理と法令遵守の観点から、開業・閉院時の機器選定や中古機器の売買において欠かせない知識です。分類を正しく理解することで、流通の可否や必要な手続き、保守管理の有無などが明確になり、安全かつ適正な取引につながります。
また、買取・販売業者の対応力も重要な判断材料となるため、制度に精通した専門業者の活用が安心です。
医療機器の導入・処分を検討する際は、クラス分類を基礎に、実務と法規制の両面から適切な判断を行いましょう。
医療機器のクラス分類に関するQ&A
Q1.クラスⅢの中古医療機器は購入できますか?
A1.はい、クラスⅢ(高度管理医療機器)の中古品も購入可能ですが、流通には一定の条件があります。保守点検記録や使用履歴の確認が必要で、販売業者や購入者には法令に基づく管理体制が求められます。特定保守管理医療機器に該当する場合は、さらに厳格な保守義務が発生するため、信頼できる業者からの購入が安心です。
Q2.閉院時、どのクラスの機器が高く売れますか?
A1.一般的に、需要が高く再利用可能なクラスⅡ(管理医療機器)や一部のクラスⅢ機器が高値で取引されやすい傾向にあります。特に保守状態が良好で、点検記録が整っている機器は評価が上がります。一方、クラスⅣや再使用が難しい機器は買取対象外となることもあるため、事前の確認が重要です。
Q3.クラス分類はどこで確認できますか?
A1.医療機器のクラス分類は、製品の添付文書や製造販売業者の情報、PMDA(医薬品医療機器総合機構)のデータベースなどで確認できます。中古機器を扱う業者に問い合わせることで、管理区分や特定保守管理医療機器の該当有無も含めて確認できる場合があります。購入・売却前に必ず確認しましょう。