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失敗しない歯科開業!中古医療機器を選ぶべき理由と安全ガイド
更新日:2025年06月20日
開業歯科医は、勤務医に比べて高い年収が期待できるとされる魅力的なキャリアである一方で、極めて厳しい現実も存在します。全国の歯科医院数は6万5,000軒以上と、コンビニエンスストア(約5万6,000店舗)を上回る過当競争の状態です。
この状況を裏づけるように、2024年の医療機関の倒産は過去20年で最多を記録し、特に歯科医院の倒産が全体の件数を押し上げる一因となりました。さらに厚生労働省の調査でも施設数は純減に転じており、歯科業界は「二極化」の時代に突入したことが見て取れます。
このような時代に歯科開業を成功させるには、周到な準備と戦略が欠かせません。この記事では、まず開業にどれくらいの費用がかかるかを詳しく解説。さらに、安心してスタートを切るための機材のそろえ方やコスト管理のヒントもあわせてご紹介します。
過当競争時代の歯科開業を成功させるポイント
競争の激しい今、歯科開業を成功に導くには患者に選ばれ、長く愛されるクリニックを目指す必要があります。そのためには経営者としての視点が欠かせません。成功するために重要となる、5つのポイントをご紹介します。
1.事業戦略・コンセプトの明確化
どのような患者にどのような医療を届けたいのか、自院だけの「強み」を定めることが全ての土台です。
2.最適な開業場所の選定
定めたコンセプトに合った患者層が多く住むエリアはどこか、競合の状況はどうかなどマーケティングに基づいた場所選びが成功を大きく左右します。
3.質の高いスタッフの確保と育成
スタッフはクリニックの顔であり、その接遇やスキルが患者満足度に直結します。理念を共有できるチーム作りが重要です。
4.患者様との良好なコミュニケーション
丁寧な説明やカウンセリングを通じて信頼関係を築くことが、リピートや紹介に繋がる大切な要素です。
5. 経営に関する知識とスキル
医師に求められる能力と、経営者に求められる能力はまったくの別物です。保険診療と自由診療のバランスをどう取るかなど、健全な医院経営を行うための知識とスキルが求められます。
そして、これら5つのポイントすべてに関わるのが資金計画です。特に高額な歯科の機材は、中古の医療機器を視野に入れるなど、賢い収支計画を立てることが求められるのです。
初期費用とランニングコストの目安
歯科開業には、テナントで開業する場合でも、5,000万円以上の初期費用がかかるのが一般的です。まとまった資金の準備が不可欠と言えるでしょう。
では、具体的にどのような費用がかかるのでしょうか。以下の表は、あくまで一般的な内訳のサンプルです。ご自身の計画に合わせて、開業エリアや医院の規模、導入したい機器などを考慮すると、金額は大きく変わってきます。
▼初期費用内訳の目安
医療機器・材料費 | 2,000万円~3,500万円程度 |
---|---|
不動産賃貸契約費 | 500万円~3,000万円程度 |
内外装工事費 | 1,000万円~2,500万円程度 |
運転資金 | 1,000万円~1,200万円程度 |
広告費 | 100万円~200万円程度 |
採用費 | 50万円~150万円程度 |
また、開業後は継続的に発生するランニングコストも考慮しなければなりません。医院の規模や経営戦略により様々ですが、主な内訳として、人件費、家賃、歯科技工料を含む歯科材料費、医薬品や消耗品費、広告宣伝費、水道光熱費などが挙げられます 。
歯科医院に必要最低限の医療機器とは
前の項目で触れた初期費用のうち、最も大きなウェイトを占めるのが医療機器の導入費用です。どのようなクリニックでも、診療を行ううえで欠かせない必要最低限の医療機器が存在します。
代表的なものとしては、以下の5つが挙げられます。
- ・歯科ユニット(診療台)
- ・バキュームシステム
- ・エアーコンプレッサー
- ・滅菌器(オートクレーブ)
- ・レントゲン装置
ただし、これらの機器をただそろえればいいというわけではありません。例えば、保険診療を中心とするのか、インプラントや審美といった自費診療にも力を入れるのかによって、CTやマイクロスコープといった追加の医療機器が必要になる場合があります。ご自身のクリニックの診療方針や事業計画に基づいて、必要な機器を適切に選ぶことが大切になってきます。
歯科ユニット
歯科ユニットは、患者様が診療室で最も長く時間を過ごす場所です。ユニットの快適性やデザインは、クリニック全体の印象や安心感・信頼感に大きく影響します。高機能な最新機種は1,000万円を超えることもありますが、歯科開業では限られた予算内で最適な機材を選ばなくてはなりません。近年では、整備状態の良い中古の歯科用ユニットも多く流通しており、患者満足度とコスト抑制を両立させる有効な選択肢となっています。
バキュームシステム
治療中に患者様の口腔内に溜まる唾液や血液、注水、歯の削りカスなどを吸引・排出するための設備であるバキュームシステム。治療の精度を高めるために術野を確保するという役割に加え、エアロゾルの飛散を抑制し、患者様とスタッフ双方の安全と院内の衛生環境を守るという、感染対策上の重要な役割も担います。歯科ユニットと連携して稼働する、クリニックの根幹を支える設備の一つと言えるでしょう。価格はユニット数や吸引能力によって異なり、100~200万円程度が目安となります。
エアーコンプレッサー
エアーコンプレッサーは、圧縮したクリーンな空気を生成し、院内の各機器へ供給するための装置です。主に、歯を削るタービンやハンドピース、歯の清掃に使うスリーウェイシリンジなどの動力源として使用されます。バキュームと共にクリニックの心臓部と称されることもあり、これが停止すると多くの治療が不可能になります。価格は50~150万円程度が一般的な目安です。
滅菌器(オートクレーブ)
患者様の安全を守る院内感染対策の要となるのが、滅菌器(オートクレーブ)です。治療器具を高温・高圧の力で徹底的に滅菌し、目に見えないウイルスや細菌に至るまで死滅させることができます。近年では、複雑な構造の器具も隅々まで滅菌できる「クラスB」規格の滅菌器が標準とされつつあります。価格は性能や容量により50~200万円程度と幅広いのも特徴です。
レントゲン装置(X線撮影装置)
レントゲン装置は、肉眼では見えない歯の内部や歯根、顎の骨の状態などを可視化し、正確な診断を下すために不可欠な画像診断装置です。虫歯の進行度や歯周病、顎関節の状態の把握など、あらゆる治療計画の立案において、その情報は極めて重要となります。一般的なパノラマレントゲン装置の価格は200~800万円程度が目安ですが、3次元の画像が得られる歯科用CTを導入する場合は、さらに高額になります。
新品リースvs.中古購入のメリット・デメリット
歯科の開業にあたり「高額な医療機器をどのように調達するか」は今後の資金計画に大きく関わってくると予想されます。開票を考える先生方にとっても、判断に悩む大きなポイントではないでしょうか。
選択肢は新品の機器をリース契約するか、あるいは中古の歯科用機材を購入するかの2つがあり、それぞれにメリット・デメリットが存在します。ご自身の事業計画や資金計画に合った選択をするために、まずは両者の特徴をしっかりと比較検討しましょう。
メリット | デメリット | |
---|---|---|
新品リース |
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中古購入 |
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選択のための判断ポイント
新品のリースと中古品の購入、それぞれにメリットとデメリットがある中で、どちらが自身のクリニックにとって最適なのかは、状況によって異なってくるのが実情です。ここでは、どちらを選ぶべきか判断する基準となる3つのポイントに絞ってお伝えします。
1.資金繰りとコストで判断する
初期費用を抑えたいならリース、総支払額や資産価値を重視するなら購入、というように資金計画に合わせてケースバイケースで判断します
2.機器の使用期間で判断する
長期間使い続ける基幹設備は購入、数年で入れ替える可能性がある機器はリース、というように使用期間に応じて選択するのが合理的です。
3.技術の進化スピードで判断する
技術の進化が早い機器は、新機種へ乗り換えやすいリースが便利です。ただし、リースは中途解約が難しいため、契約期間には注意が必要です。
以上3つの視点から、ご自身の状況と照らし合わせて、どちらの選択肢がより適しているかを慎重に検討することが重要です。開業計画や資金計画、そして将来どのようなクリニックを目指すのかというビジョンに基づき、長期的な視点で総合的に判断することをおすすめします。
中古医療機器を安全に活用するためのチェックリスト
中古医療機器は、開業コストを抑えるための賢い選択肢ですが、「安かろう悪かろう」では意味がありません。購入時に機器の状態を正しく見極めてこそ、安心して長く使うことができるからです。
安全のためには導入後の日々の点検も大きな意味を持ちます。点検の際には、日本歯科器械工業協同組合が公開している下記「歯科医療機器の保守点検チェックシート」なども参考にするとよいでしょう。日々の点検項目が網羅されており、公式サイトから誰でもダウンロードすることが可能です。
※出典:日本歯科器械工業協同組合「歯科医療機器の保守点検チェックシート20171101」
日々の点検が安全な診療の基礎であることは言うまでもありません。しかし、それ以上に重要なのが、導入する機器そのものの品質です。次章からは本題である「中古医療機器の選定」に焦点を移し、購入時に必ず確認すべき具体的なチェックポイントを詳しく解説します。
購入時に確認すべきメンテナンス・保証内容
価格の魅力にひかれて中古の歯科機材を選んだものの、「すぐに故障したのに保証対象外」「修理を頼める業者がいない」といった事態は絶対に避けたいものです。このようなリスクを回避し、信頼できる中古医療機器を選ぶには、販売業者に対して以下の点を必ず確認するようにしましょう。
- ・販売業者のメンテナンス・点検体制
- ・購入時・購入後の保証内容
- ・管理・メンテナンス業務委託先の設置管理基準書に基づいた資格者の有無
- ・法令に基づいた機器の品名・数量・製造番号・購入日・販売者情報などを記載した書面記録の有無
- ・薬機法・医療法等に基づいた販売許可
保証とメンテナンスは導入後の安心を直接左右する項目です。そして販売許可や資格者、書面記録の有無は、その業者が法律とルールを守る、信頼に足るパートナーであるかどうかの証明書。これらの情報を真摯に提示してくれる業者を選ぶことを推奨します。
再生・修理・定期保守点検の重要性
中古の歯科機材を導入した後、その価値を最大限に引き出し、安全な診療を続ける上で再生・修理、そして定期的な保守点検が極めて重要になってきます。医療法で定められた義務として患者様の安全を守ることはもちろん、機器の突然の故障による経営リスクを防ぐためにも点検は欠かすことのできない重要な取り組みです。
とりわけ、経年劣化の可能性がある中古医療機器の場合、計画的な点検こそが隠れた不具合を発見し、大きなトラブルを防ぐための鍵でもあります。安定した歯科開業と持続的な医院経営のため、信頼できる業者と連携し、保守点検計画を立てるよう努めましょう。
医療機器の耐用年数とは
歯科開業の資金計画を立てる際、「耐用年数」という言葉を耳にすることがあるかもしれません。これは税法に基づいて資産価値を計算するための期間のことで、機器が物理的に使える「寿命」とは区別して考えられています。例えば、法定耐用年数は歯科ユニットなら7年などと定められており、この年数をもとに減価償却費を計算するため、事業計画や確定申告では大切なポイントになります。
ここでぜひ知っておきたいのが、「耐用年数」は、必ずしも「機器の寿命」とイコールではない、ということです。メンテナンス次第で耐用年数を超えても、まだまだ活躍できる機器はたくさんあります。歯科の中古医療機器を探す際には税法上の年数だけでなく機器そのもののコンディションをしっかりと見極めることが、長く安心して使える一台を見つけるためのヒントになるでしょう。
耐用年数については医療機器の医療機器の「耐用年数」とは?減価償却のメリット、「耐用期間」との違いを解説!をご参照いただくと、より理解が深まります。
正規中古医療機器のみ販売のグリーンメディカル
ここまで中古医療機器を選ぶポイントを解説してきましたが、「結局、信頼できるのはどんな業者なの?」と、迷うこともあるかもしれません。また価格の魅力はあっても、信頼できる機器でなければ無意味ですよね。
私たちグリーンメディカルは、その「信頼性」にとことんこだわっています。
グリーンメディカルがご提供するのは、メーカーによる正規の整備・点検をクリアした、品質の確かな中古医療機器のみです。「これなら安心」と思っていただける機器だけを厳選しているため、ご希望の歯科機材がすぐに見つからないこともあるかもしれません。
そんなときも、入荷時に優先的にお知らせする「予約サービス」をご利用いただけます。確かな品質の中古機材で理想的な歯科開業を目指している方は、ぜひ一度、当サイトで私たちのこだわりをご確認ください。
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歯科開業という大きな一歩を踏み出す上で、中古医療機器はコスト面で非常に心強い味方です。初期投資を抑え、その分を運転資金や他のサービスに充てることで、より安定した経営基盤を築くことができます。
大切なのは、中古だからこそ「信頼性」にこだわること。確かな品質の歯科機材を、信頼できるパートナーから導入することです。今回は「中古」という選択肢を「戦略的な機器導入」へと変えるためのチェックポイントをご紹介しました。ぜひ、歯科開業時の機器選定にお役立てください。