【超音波診断装置の注目動向】最新AI技術が超音波検査の課題を克服

更新日:2022年05月17日

多様な技術・製品、多彩なジャンルにおいてAI(人工知能)活用が進む昨今。医療分野でもAI技術による疾患の早期発見、早期治療の実現をサポートするなど進化を続けています。
中でもレントゲンや超音波診断装置(エコー)、MRIといった画像診断領域においてAIによる画像診断の精度向上は著しく、実用化への期待が高まっているのです。より正確な診断を実現するメリットに加え、医療現場の業務効率化も実現可能にするAI技術の最新動向をお伝えします。

医療技術はAI導入がトレンド

少子高齢化社会の進行によって、さまざまな業界での人材不足が課題となっています。医療業界においても同様で、医師や看護師といった医療の担い手は常に不足しているのが実情です。特に過疎化が進む地方の場合、医療従事者不足や病院の減少などは喫緊の課題となっています。

一方で高齢者の増加により、医療機関にかかる患者は増えていきます。医療や介護のニーズが高まる中、医療従事者1人ひとりにかかる負担は当然大きくなります。医療従事者1人あたりの業務が増えることによって、長時間労働も慢性化し、判断力の低下やミスにつながる可能性も指摘されているのです。

日本では今後、ますますの高齢化が進行し、医療費の負担も膨らんでいくと予測されます。社会保障費の削減を図る意味でも、医療の効率化の実現が求められています。そこで診断や治療方針の選択などをアシストし、医療業務効率化につながるAI活用への期待が高まっているのです。

AI導入による医療従事者の負担減は、医療の質そのものも向上させます。診察時間や経済的負担を軽減できるなど患者のメリットも少なくないと見込まれます。問診票やカルテなど細かな事務作業を含めた病院業務にAIを導入することで、病院業務の効率化も可能にします。このように多種多様な側面から医療×AIが注目され、導入の機運が醸成されてきていると言えるでしょう。

超音波検査の課題をAIが克服

医療分野のAI導入は、特に画像診断領域で顕著となっています。超音波医学また関連領域において学術研究やさまざまな取り組みを行う日本超音波医学会でも、大規模なデータベース構築と AI 開発を積極的に進めています。

そもそも、超音波分野における画像データの取得は、技術者の経験に頼っていた部分が多くありました。同学会では全国の各医療施設と連携し、超音波静止画、動画像とその付帯情報などを集積する超音波画像データ収集システムを確立。
集積データを活用・分析し、腫瘍検出・鑑別支援 AI の開発を実現しました。AI活用により、初学者や専門分野外であっても超音波検査をアシストしやすい環境が整備されつつあります。

超音波診断装置のAI化のメリット

高精度の診断が短時間で可能に

画像診断においては近年、医療機器の性能が飛躍的な向上を遂げました。診断時には高精度な画像を多数用いるため、画像処理にも時間を要するケースが多く見受けられます。一方、ディープラーニング(深層学習)研究の発展、患者の検査結果や診断・処置データなど膨大な情報の収集・分析によりAI技術はどんどん進化しています。

超音波診断装置にAIを取り入れることにより、人間が時間をかけて行う診断をAIが瞬時に判断、時間短縮を実現しています。AIの画像認識技術も大きくアップし、より精度の高い診断も可能となりました。

人的負担を削減し診断をサポート

超音波診断装置のAI化により、検査や診察にかかる時間が大きく短縮できます。医師など医療従事者の負担も軽減でき、結果的に画像の見落としや診断ミスを少なくすることが可能となるでしょう。

また経験の少ない初学者や専門分野外の診断においても、AIのアシストで正確な診断を実現できます。専門的な知見を持った人材以外も正しい診断ができるのは、大きなメリットの1つです。AI活用による業務の効率化が進めば、人手不足の解消にも役立つのです。

超音波診断装置のAI化のデメリット

技術はまだ発展途上

超音波診断装置のAI化には、人的ミスを防ぎ、人材不足を補うなど数々の利点があります。一方で、すべての業務をAIに任せるのは難しいのが現状です。AIはあくまで学習した範囲内で判断するため、未学習の症例や難症例には対応できないからです。症例が少ない疾患など場合によっては、医療ミスなどにつながる可能性も考えられます。

AIの研究は発展途上にあり、まだ万全ではありません。現状は人間とAIがそれぞれの得意分野を生かし、共同で正しい診断や治療法を見出すのが適していると言えるでしょう。

超音波診断は特にAI実用化が期待される分野

消化管全域から一般外科、泌尿器科 、耳鼻科、婦人科など幅広い領域の検査や治療で活用される超音波(エコー)検査。痛みを伴わず、放射線も使わないため安全性の高い検査であり、リアルタイムに画像を確認できるメリットの大きい検査法です。

画像診断研究の技術革新が進み、また膨大な関連データの収集・分析が可能となったことでAIの精度も飛躍的な向上を遂げました。そのため画像認識技術が肝となる超音波診断は、AI実用化に近い分野として注目されています。

例えば理化学研究所(理研)では、超音波検査にAIを使う際、AIの判定根拠を「見える化」を実現し、検査者をサポートする新しい技術を開発しています。胎児心臓超音波スクリーニングにおいて、ディープラーニングを用い、診断の根拠となる部位画像の精度を向上させ明確にした「グラフチャート図」を示すことに成功しました。

この図を参考に診断を行うことで、検査者の技量に頼らずとも的確な診断の「説明」が行えるようになったのです。理研を中心とした研究グループは、この診断の根拠を「説明可能AI」の技術として発表しました。今後、安全かつ正確な診断が求められる産婦人科領域をはじめ、多くの医学領域で技術の応用が見込まれています。

富士フィルムがAIを活用しノイズ除去技術を搭載した超音波診断装置を発売

画像診断機器市場、中でも超音波診断装置では抜群の開発力を誇る富士フィルムもAI活用に注力しています。AI技術は細やかな違いを認識できるため、映像化処理に必要な信号とそれに類似する電気ノイズの区別を可能にしました。

ノイズ除去技術を効果的に実施しつつ、リアルタイム性を維持しながらノイズの影響を受けやすい体内深部の詳細まで描出することに成功したのです。必要のない電気ノイズだけを消去させ、画像の質を大きく向上させる新たな超音波診断装置は、2021年のリリース時から大きな話題の的となりました。

AI技術搭載装置を導入しスタッフの負担を軽減できる

患者にとって多くのメリットを持つ超音波診断装置は、未来の医療においても大きな役割を担っていくでしょう。AI技術をはじめ、今後も新たな技術を搭載した機器がどんどん開発されると予想されます。医療の世界は日進月歩であり、アップデートが不可欠です。

しかし、人材不足により医師や看護師など医療従事者の負担も増えていく側面も否めません。AI技術搭載装置の導入により業務の効率化を図ることで、医療に携わる皆の負担減にもつながります。患者ファーストの観点からも新たな機器の導入が望まれます。使用していた機器の売却を検討の上、最新のAI技術搭載装置へのリニューアルをおすすめします。

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