【中古医療機器輸出の問題点】知っておきたい各国の厳しい規制の現状

更新日:2021年10月22日

日本では使わなくなった中古医療機器も、海外ではまだ需要があると言われています。特に内視鏡やCT、MRIなどの診断系医療機器においては、世界の中でも日本が強い競争力をもっています。

しかし、中古医療機器の輸出にも、実は問題点があります。海外に粗悪品が多く輸出されてしまった結果、アジアでは多くの国々が、医療機器の輸入を制限しているのです。本コラムでは、こうした中古医療機器の輸入規制の実情について、ご紹介しましょう。

中古医療機器の輸入規制している国は増加傾向

中古医療機器の輸入を規制する国は、近年増加傾向にあります。日本の中古医療機器が海外で高い人気を得ているにもかかわらず、多くの国が輸入を規制するという、由々しき状況に陥っているのです。

中古医療機器の輸入を規制されてしまう要因が、粗悪品の輸出によるものであることはお話ししましたが、中には現地で使い始めてから粗悪品になってしまうケースもあります。

中古医療機器がメーカーの許可なく輸出されてしまい、適切なメンテナンスを受けられなかったり、トラブルが起きても解決できなかったりすることで、劣化してしまうのです。


メンテナンスの問題は、中古機器に限ったものではありません。新品の医療機器が海外に輸出された場合も、さまざまな国々からネガティブな意見が寄せられています。

たとえばベトナムの保健省からは、「維持管理が良くなく、明確なメンテナンス計画もない」、タイの保健省からは、「日本のメーカーは、長年ビジネスをしていて、アフターサービスに信頼を寄せられる代理店を選ぶべきだ」といった、厳しい声も聞かれます。

新品ですらこのような事態なのですから、中古医療機器のメンテナンスがどんな状況かは、推して知るべしでしょう。

各国の中古医療機器の輸入規制

アジア

アジアの中古医療機器の輸入規制はかなり厳しく、中国やタイ、トルコでは、中古の医療機器(中国は大型医療機器)が輸入禁止となっています。しかし中国の医療現場では、有効期限を過ぎた医療機器がそのまま使われているなど、輸入規制をしてもなお医療機器の問題は残っているようです。

ミャンマーやバングラディシュは、販売を目的とした中古医療機器の輸入は禁止ですが、無償提供(ミャンマー)や寄付(バングラディシュ)といった形での輸入は許されています。ベトナムも輸入規制は厳しく、基本的には全面輸入禁止となっています。国の検査を通過すれば輸入できるものの、事実上海外の中古医療機器は出回っていないのが現状です。

インドも基本的には中古医療機器の輸入は禁止で、製品によっては許可されるものもあります。インドネシアは許可が下りれば輸入できますが、「原子力監督庁(BAPETEN)からの推薦状がある」といった厳しい条件が3点あり、なおかつ大臣の特別承認が必要なので、ハードルはかなり高いでしょう。

製造年度によって輸入を規制しているのは、カンボジアです。カンボジアの保健省では、製造後6年を経た使用済みの中古医療機器については、輸入を認可していません。また、事前の動作確認ができていない医療機材についても、輸入禁止となっています。

最も規制が弱いのは、フィリピンとロシアで、中古医療機器は規制なしに輸入可能です。このように、アジアではわずか2ヶ国のみが、規制なく中古医療機器を輸出できる状況となっています。

その他地域

アジア以外に、メキシコやブラジルなどの地域でも、中古医療機器の需要はあります。メキシコは、規制なしに中古医療機器の輸入が可能です。ただし、衛星登録が必要といった細かい手続きは必要となります。

ブラジルも輸入は可能ですが、国家衛生監督庁への登録や承認などを求められます。

規制内容
インドネシア 下記3点を満たした上で、大臣の特別承認を受ければ、中古医療機器の輸入が可能
  1. HSコード9022に該当する中古品(医療分野などで使用されるエックス線、アルファ線、ベータ線、ガンマ線を使用した機器)である。
  2. 事前に商業省国際貿易総局輸入局長からの輸入承認を受けているか、または船積み前検査を受けている。
  3. インドネシア原子力監督庁(BAPETEN)の推薦状を取得している。
タイ 中古医療機器の輸入は禁止。
フィリピン 中古医療機器は規制なしに輸入可能。
※ただし、公的医療機関は中古医療機器の購入ができないため、留意が必要。
ベトナム 中古医療機器の輸入は全面的に禁止。
※ただし、科学技術環境省の検査に通過すれば輸入が可能。
※現地のサプライヤーが中古医療機器の輸入に積極的でないので、事実上は海外の中古医療機器が出回っていない。
ミャンマー 販売を目的とした中古医療機器の輸入は禁止。
※ただし、無償提供は許可を得れば輸入が可能。
バングラディシュ 販売を目的とした中古医療機器の輸入は禁止。
※ただし、寄付目的であれば輸入は可能。
中国 中古の大型医療機器の購入や輸入は禁止 。
※実際の現場では、有効期限を過ぎた医療機器がそのまま使われていることが、珍しくない。
インド 中古医療機器の輸入は禁止、または許可が必要な製品がある。
※放射線診断機材で、これまでの使用期間が8年以上に及ぶものは輸入禁止。
※人工呼吸器、患者監視システムなどの救命医療機器の中古改造品を輸入する際には、原産地の規制当局などによる適切な認可が必要。
ロシア 中古医療機器は規制なしに輸入可能。
トルコ 中古医療機器の輸入は禁止。
メキシコ 中古医療機器は規制なしに輸入可能。
※ただし、一般に販売する場合は衛生登録が必要。
※医療機関や研究所などが衛生登録のない中古医療機器を輸入する際には、COFEPRISに輸入事前許可を申請する必要がある。
ブラジル 下記3点を満たせば、中古医療機器の輸入が可能。
  1. 医療機器が国家衛生監督庁に正規登録(または簡易登録)されている。
  2. 製造企業の責任下で、国家衛生監督庁への製品登録時の条件を満たすために必要な再調整が行われている。
  3. 中古機器輸入に関して国家衛生監督庁に事前通知を行い、承認を得ている。

出典:平成28年度医療技術・サービス拠点化促進事業 医療国際展開カントリーレポート 新興国等のヘルスケア市場環境に関する基本情報 ロシアの医療機器市場と規制(ジェトロ)より

規制内容
カンボジア 保健省は製造後6年を経た使用済み・中古医療機器を認可しない。
※ほとんどの種類の医療機器の使用期限が6年であるため。
※提供者は機器・設備の納入前に、提供先・納入先に医療機材の基本情報(少なくとも製品番号と製造日)を提供する必要がある。

中古医療機器は規制なしに輸入可能。
※提供者側は医療機材の動作状況を点検・確認し、機能動作試験報告書を作成する必要がある。

出典:株式会社エヌ・ティ・ティ・データ経営研究所「平成29年度アジア諸国医薬品・医療機器規制情報収集・分析事業」

グリーンメディカルは各国に中古医療機器を輸出しています

アジアを始めとした国々の中古医療機器の輸入規制が、いかに厳しくなっているかが、おわかりいただけたかと思います。

こうした厳しい状況下でも、グリーンメディカルは多くの国々に中古医療機器を輸出しています。これは確かな点検技術と信用があるからこそ、できることといえるでしょう。

中古医療機器の買取や販売を行う業者は、お客様からの信用が企業の生命線とも言えます。今後もグリーンメディカルでは、売却される方にも、購入される方にも心から満足していただけるよう、より一層のサービス向上に努めてまいります。


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